田中瑞穂「盆踊りの必要条件・構成要素」

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910円(税込1,001円)


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名古屋の盆踊りを中心にいくつもの盆踊りをめぐってきたという著者の田中瑞穂さんと複数の寄稿者が盆踊りの意味合いを考察する一冊。

新型コロナウイルスの影響で人が集まるイベントが軒並み中止になった2020年、例年のように盆踊り行けなかった田中さんは改めて盆踊りとは何かということを見つめ直したそうです。

盆踊りと言葉にすれば誰もが簡単にイメージを浮かべることができますが、その中身は地域によって様々に異なり、非常に多様です。本書を読むと、人々が何を求めて盆踊りを続けてきたのか、その理解に一歩近づけるような気がします。

A5/68ページ

(以下、公式サイトより)
2020年にコロナウイルス状況で盆踊りが開催されなくなったことをみつめて、盆踊りの魅力や盆踊りの価値や意義を探ろうとする論考集。

内容一覧(全68P)
・≪インタビュー≫ 安藤鮎子 (ダンサー/パフォーマー/橋の下婦人会( 橋の下世界音楽祭 盆踊り振付/踊り指南))  
・≪論考≫ 大石始(ライター/エディター) 踊りの輪の中のズレ、多様性、緩やかな連帯について
・≪インタビュー≫ 奈良絵里子(歌人/関西の盆踊り愛好家)
・≪論考≫大東忍(画家/現代美術家/盆踊り愛好家) 地獄の中で酔っ払って絵を描く
・≪論考≫武藤大祐(ダンス批評家/舞踊研究者/振付家)盆踊りと振付 ―山中カメラを舞踊史的に考える―
・≪論考≫田中瑞穂(本書企画/編集) タダ乗りと共生の盆踊り
・≪論考≫田中瑞穂 盆踊りに「慰霊/ 供養」は必要条件か
・≪イベントレポート≫ 「人はなぜ踊るのか〜 コロナ禍の盆踊り」

編集/田中瑞穂
価格 1000円(税込)
2020/10/27発売開始

以下、各論考の概要です。
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ダンサー/パフォーマーの安藤鮎子さんへのインタビューでは、愛知県豊田市「橋の下世界音楽祭」での踊り担当として、音楽ライブの激しさと盆踊りとをいかに融合させているかについてや、またダンサーとして身体の動きを見つめる中で盆踊りの踊りとはいかなる性質なのかを、安藤さんのバイオグラフィや系譜と重ねて伺いました。
ライター/エディターの大石始さんには、盆踊りを見つめる多様な立場の視点のズレや、踊りを中心にして歌や太鼓が繰り広げられる盆踊りの状況、また盆踊りが他の踊り文化と比してどのような魅力があるのか、など論じてもらいました。
画家/現代美術家/盆踊り愛好家の大東忍さんの論考では、東京錦糸町の河内音頭での体験を軸に、踊り/踊ることに対し湧き上がるハレとケの両面の感情が盆踊りの現場でどのように昇華されるかを論じている。また絵を描くこと/制作すること/表現することと、盆踊りを踊ることとの間には、どんな関わりがあるのかも記してもらいました。
歌人/盆踊り愛好家の奈良絵里子さんへのインタビューでは、大阪の地域政治の仕組みやその現場で体験した河内音頭にまつわるエピソード、また大阪や関西に分布する多様な盆踊りの魅力について、そして短歌を書くことと盆踊りを踊ることの関係性などについても話してもらいました。
ダンス批評家/舞踊研究者/振付家の武藤大祐さんは、現代音頭作曲家である山中カメラ氏の取り組みを軸に、西洋で培われた芸術概念/振付概念と日本の盆踊りにおける事象とをみつめ、振付の権力性/強制性と踊り手の自由とが、盆踊りの場でどのように止揚するかを論じています。
また、この本の編者である私、田中瑞穂も、盆踊りの気軽さ・気楽さについてや、盆踊りと慰霊との関係についての文章を少し記しました。

 様々な立場・視点で文化・表現を見つめる方々に「盆踊りとは何か」「盆踊りを踊るとはどういうことか」を多面的に提示してもらうことができました。