クィア、ジェンダー、フェミニズム、孤独や連帯にまつわる本やZINEを扱う東京・大久保のブックスストア「loneliness books」が出版する、宮城県石巻市にかつてあったポルノ映画館「石巻パール座」をめぐるZINEです。
石巻パール座は、男性同士の出会いの場所でもあった映画館で、2011年の震災で津波の甚大な被害を受けながらもその3ヶ月後には営業を再開しました。
誰かにとっては大事な居場所だったポルノ映画館の外観や内観を島崎ろでぃさんの写真とアキラ・ザ・ハスラーさんの文章で記録しています。サイズの異なる複数の冊子とポストカードがセットになっています。
H297mm×W210mm16P/H182mm×W158mm8P/
H210mm×W148mm4P/カード2枚入り
(以下、公式インフォより)
2011年、震災と原発事故後で動転する日々の中で、天井の高さまで押し寄せた津波の被害を受けながら、男性同士の出会いの場所でもあった映画館を、3ヶ月で営業再開した石巻パール座についてのZINE『世界を回すのは、こんな人たち』。2017年に石巻で開催されたREBORN ART FESVIVAL、直前に閉館したパール座でのアーティスト、アキラ・ザ・ハスラーさんの展示。まだ現役の映画館の面影が残る劇場を撮影した写真家、島崎ろでぃさんとアキラ・ザ・ハスラーさんによる貴重な記録です。
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石巻を襲った津波の被害は甚大で、映画館の中にその高さが手書きの文字で書かれていた。2メートル50センチ。手を伸ばしても届かない高さにその文字があった。スクリーンも座席もすべて流されたという。けれど館主の清野さんはそのわずか数ヶ月で映画館を再びオープンしたのだという。「こんな非常時にポルノ映画なんて不謹慎な。こんな場所は必要ない」そんな声を遮るようにして。
(中略)
大きな都市ではないのなら、今でもそうなのかもしれない。数の少ない者たちや寂しさに囚われた寄る辺ない人たちにとってはポルノ映画館や寂れた公園がひとときの出会いの場所になる。「ひとりじゃないよ」と忘れかけたことを思い出すような。
セックスは厄介だ。学べる機会も場所も少なくて、しばしば人は間違える。
それでもアスファルトを、浜辺を、森の道を踏みしめる人々の足のその合間の温もり。時に厄介なその温度も、常にあらざる時に人が生きてゆく勇気の源になることもあるんじゃないだろうか。
(本文より アキラ・ザ・ハスラー)
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著:アキラ・ザ・ハスラー
写真:島崎ろでぃ
装丁:潟見陽
英語訳:フォスター・ミクリー&イザベル・オリバー
出版元:loneliness books
表記:日本語・英語
H297mm×W210mm16P/H182mm×W158mm8P/
H210mm×W148mm4P/カード2枚入り/2022