「軽く前向きに流される日常に抵抗する批評同人誌」を掲げる『生活の批評誌』の第4号です。
特集は「わたしたちがもちうる”まじめさ”について」です。私たちが「あの人は真面目だよね」という時、どこか取っつきづらいとか、本音を話し合いにくいとかいったような、いわゆる「カタブツ」みたいなニュアンスが含まれていることが多いと思います。
でも本来、真面目であることはその人の価値観や抱える問題に対して真摯であろうとするゆえに生まれるものであり、その場のノリで話を合わせてしまうことよりもよっぽど重要なことなはず。
本書では複数の寄稿者が様々な自分なりの問題について、どこまでも真面目に向き合って文章を寄せています。
B5/68ページ
(以下、公式サイトより)
特集 わたしたちがもちうる”まじめさ”について
カバーデザイン:いいことみ
みんな、自分の”まじめさ”とどのように付き合っているのだろうか。
気になって、しょうがなくなった。
それはいつからだったか、”相手に対して自分が「他者」であることを、どこまでも自覚したうえでとる不干渉な態度”というものがあって、どうやら私はそれを、”まじめさ”と呼んで大事にしているらしい、ということに気づいた頃からだったか。
傷つけたくなくて、触れないこと。大事な部分を侵したくなくて、踏み込まないこと。
そんな”まじめさ”を手放したくはないけれど、それを握り締めたままどうすれば誰かと一緒にいれるのか、だんだんわからなくなった。
だから、問いかけた。あなたは、自分の”まじめさ”とどのように付き合っていますか?
人とかかわるときの危うさを手放さずに、どのようにして、誰かとともにいますか?
わたしには見えない、この世界のあちこちで静かに試行錯誤されているであろう誰かの工夫と実践を知りたかった。ここにあるのは、その応答。であるような、そうでないような。
でも、そのどれもが、その人の大事な部分に触れているような気がする。
10人による文章・漫画・インタビューを収録しています。
B5判|縦書き|68ページ
企画・編集|依田那美紀
発行日:2020年8月10日
■目次(掲載順)
A子|ゆりか
炎・だいじょうぶですか・火|大前粟生
欲望とその対策、生きづらさと秘密の通路|稲岡奈由
暗い・明るい・おなじ場所 /わたしだけの湖 |塩川愛
解体の方法 ー「女のことば」と高橋源一郎 |依田那美紀
インタビュー
いまここにある言葉を、書き記す —語りをめぐる”まじめさ”の話— |瀬尾夏美
ケーキを食べる練習 |梅澤奈央
音楽の鳴る場所 |nu
死よ人の望みの喜びよ |門戸大輔
Null — 何もない私と関係性 |餅巾着
執筆者一覧
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編集後記