亡くなった人の部屋を片付ける「遺品整理」の仕事をしている著者が、依頼現場の模様をミニチュアで精巧に表現して紹介する異色の一冊。
部屋に残された物や部屋の様子から死んでいった人たちの生きた時間を想像し直そうとする貴重な試みです。
B6/144ページ
(公式より引用)
孤独死、ごみ屋敷、残されたペ ットたち――故人の部屋を片づけ、弔いつづける27歳の遺品整理人が、依頼現場をミニチュアで再現。
死と向きあってきたからこそ伝え たい想いを初書籍化。
父親の突然死がきっかけで、若くして遺品整理人になった著者が、現場で目にした孤独死や、ごみ屋敷、 ペット、そして部屋に残された「人生」のかけら。
社会問題化するいま、わたしたち一人ひとりにできることは何か。
ミニチュアを 通して静かに問う。
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■目次
はじめに(日本の孤独死/わたしがミニチュアを作る理由)
第1章 音信不通の父親
第2章 ごみ屋敷それぞれの事情
【 column1 】大家さんたちの苦悩
第3章 家のなかの密室(トイレでの孤独死/お風呂での孤独死)
第4章 遺品の多い部屋
【 column2 】忘れられない遺品
第5章 壁に残された「ゴメン」
第6章 残されたペットたち
第7章 終の棲家
おわりに
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■本文より
わたしが現場に行くときには、すでに故人の姿はない。
そういう仕事だ。
遺族や大家さんから聞いた話と、ただ、「 部屋」と「物」がそこに取り残されているだけ。
でも、それらは雄弁に故人の人生を語っているようでもある。
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