人口の8割以上が仏教徒だというミャンマー。そのミャンマーの仏像のデザインは、枯れた色合いが良しとされる日本とは大きく異なり、キラキラと派手で華やかです。
本書ではミャンマーの仏像の魅力をたくさんのカラー写真とテキストで紹介しています。一口に仏教と言っても、国によってその受け止められ方は全然違うのだなと思わされる一冊です。
A5横型/24ページ
(以下、公式サイトより)
「仏像にLEDがついているのはどうしてなんだろう。」
そう疑問に思いミャンマーに行き、お寺巡りや聞き込みや撮影をした。
その中で好きだったブッダの写真や見聞きした話などを盛り込んだ、ミャンマー寺ファンブック。
contents
・まえがき
・お寺について
-お寺のかたち
-参拝時の注意点、まわりかた
-8曜日占い
・表現と造形
・ヤンゴン
・バガン
・マンダレー
・ブッダのかたち
A5横/24P/フルカラー
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まえがき
LED照明が煌々と輝くお堂、照らされるブッダの顔。
像のサイズにあわせて特注で作られているであろう光背は、
ブッダとチーク材の光背のあいだに設置されさまざまなパターンの光を描き出す。
壁や飾りにも反射しきらきらと騒がしいその光に包まれていると、神々しさの圧力でぼうっとしてくる。
ブッダのいる世界-天上界、あるいは衆生の祈りの場所としての寺院が現世と離れた存在であるようにミャンマーの人々は贅をこらしアップデートしてきた。古くはレンガ造りの構造物に漆喰や漆を塗り、その時代ごとに高価な宝石やチーク材、新しい技術として鏡のタイルなどが足されていった。
ろうそくや採光窓を使ってきた光の表現も同様に発展し、今ではLEDが広く用いられている。
一方、日本の社寺仏閣においては古いものは作られた当時の素材のまま保持され、文化財として保存されてきた。
そのおかげで我々は古い像や空間の質感や素材の美しさを楽しんだり、生活空間と乖離した趣の古い空間独特のあじわいを楽しむことができる。そういったものに慣れ親しんだ日本人にとってはミャンマーのお寺は奇異に-それこそパチンコ屋の過激な装飾のように映るだろう。
けれど、そこにあるのは歴史の集積と今なお続くアップデートの痕跡で、現代の仏教美術のひとつの姿だ。
ふざけているようにも見える第一印象の、その先のミャンマーのお寺の魅力を少しでも感じ取っていただけたら幸いだ。