(公式インフォより引用)
有名漫画『あたしンち』の共作者にして俳人、漫画家のオットでもある著者による、初のエッセイ本。
漫画のネタを考え、俳句を書き・読みつづけてきた日々の暮らしから抽出された、この世界の「成分」。
いくつものディテールをみつめる、愉快な日常と思索の数々――
こんな書き手が、まだいたんだ。
◉
保坂和志さん推薦――
小さい物を見ているときも、足元にある物を見ているときも、
上田さんの心はつねに高い空やそのまた先にある天体を仰ぎ見ている。
愛や勇気や生きるモラルが、この本を貫いている。
(帯文より)
目次
泡
指
偶然
妻の友人
鳥たち
座敷犬
足りない
正規分布
栄光の記憶
似合う
立体的
背景
動けない
愛
所ジョージ
中の人
定義
フェイスブック
悪
正義とフィクション
大人
アイロニー
神話
有名人
トマトジュース
かわいそう
発泡酒
つっこみ
あふれる
命令形
国産ワイン
シズル感と美
心がある
妖精
漫画映画
油
ロネッツ
スマホ
幸福
受容器
布団を替える
ハッピーエンド
土俵
灰皿
模型
ザッピングと自然
子役
ものまね
蓼食う虫
プレゼント・菓子パン・芸術
祈る
鍵
父
ナルシシズムと江ノ島
難病
クリスマスの夢
やさしさ
解散
屋久島
出典、注、追記ほか
俳句作者一覧
あとがき
前書きなど
(「あとがき」より)
「成分表」というタイトルは、日々思うことをその成分に分解して考える、というつもりでつけた。
俳句の同人誌に連載したもので、原稿用紙二枚と少し、学校の作文ぐらいの長さだから、とても短い。短さはそれだけでスタイルなので、その力を借りて書く方法は、自分のようなアマチュアに向いている。
一冊にまとめるにあたって、かなり改稿した。
これは自分が、カラスのようにこつこつと集めた、そのとき光って見えたあれやこれだ。ライフワークというのか、たかだか十数年なのだけれど、一生かけて、書いたような気がしている。
著者プロフィール
上田信治 (ウエダ シンジ) (著/文)
1961年、大阪のマンモス団地で生まれる。大学の漫研で知りあって結婚した女性が、漫画家けらえいことなる。彼女の作品には、ごく初期のころからネタ、ネーム、単行本の構成等で協力していたが、読売新聞日曜版連載の『あたしンち』から全面的に参加、現在に至る。つまり、漫画家けらえいこの夫であり共作者。俳人として、句集『リボン』(2017年、邑書林)がある。