(公式インフォより引用)
紹介
書店と社会は相互に影響し合いながら変化していく。一九〇〇年代から二〇〇〇年代まで。各年代の代表的な書店から描く台湾文化の百年史。
「現在のわたしたちにとって、将来どのような書店が出現するかを予想するのは難しいことだろう。しかし今まで存在していた、あるいは今でも存在している書店を歴史的な観点から眺めることで、書店、特に実店舗の書店が社会にどのような影響を与えているのか、私たちも読者も更に詳しく知ることができるはずだ。
そして書店、特に独立書店は本の販売以外に、この社会にどんなものを創造できるのかについても!」(本文より)
目次
第一篇 日本統治時代の書店
一 近代的書店の黎明期
新高堂 瑞成書局 蘭記書局
二、文化協会時代(一九二〇年代)
文化書局、国際書局 中央書局 興文齋
三、飛躍する時代の書店(一九三〇年代)
鴻儒堂 大陸書店 日光堂(三民書局)
【地方書店漫遊一、高雄の独立書店についての思い出】
第二編 言論統制の時代
一、百万民族大移動の哀歌(一九四〇年代)
世界書局、商務印書館、正中書局、中華書局 大同書局 牯嶺街の露店古本屋
二、ゆっくり歩き出す時代(一九五〇年代)
三民書局 南方書局 周夢蝶の露店
三、海賊版王国となってしまった時代(一九六〇年代)
敦煌書局 文星書店 長榮書局(志文出版社)
【地方書店漫遊二、風が吹く軒で書物を広げて読めば、古き道が私の顔を照らしてくれる。台南中正路商圏書店系図】
第三篇 書籍業界が飛躍する時代
一、書籍業界の盛んな年代(一九七〇年代)
遠景出版社(飛頁書餐廳) 南天書局 書林書店
二、百花繚乱の日々(一九七〇年代)
重慶南路の書店街 山民書局(豐原三民書局) 光華商場の古本屋
三、消費時代の到来(一九八〇年代〜)
金石堂文化廣場とその他のチェーン店 誠品書店 瓊林書苑、古今集成、讀書人文化廣場、田納西書店
【地方書店漫遊三、書店散歩 台南篇】
【地方書店漫遊四、書店散歩 嘉義篇】
第四篇 独立の声
一、独立書店の芽生え(一九八〇年代)
唐山書店 明目書社、結構群 水木書苑
二、自分の声を上げる時代(一九九〇年代)
女書店 晶晶書庫 洪雅書房
三、台湾に根を下ろす書店たち (一九九〇年代)
台灣e店、台灣本土文化書局 春成書店 天母書廬
【地方書店漫遊五、「じっとしていられない奴ら」 私の宜蘭書店考察ノート】
第五篇 書店における転換期
一、インターネット時代の到来(二〇〇〇年代)
舊香居 草祭二手書店 時光二手書店
二、独立書店の新生(二〇〇〇年代)
小小書房 有河book 凱風卡瑪兒童書店
三、捨てられぬ理想(二〇〇〇年代)
東海書苑 闊葉林書店 「草葉集」から「註書店」
【地方書店漫遊六、重慶南路書店街について 私の一風変わった独立書店の経験と夢】
版元から一言
1900年代より2000年代まで、台湾の書店の発展を、各年代における中心的な書店を紹介することで、台湾の社会状況とその中で書店が果たした役割を照射する、台湾の書店、文化の百年史。
平易な文章での書店紹介が中心で本屋読本としても読める。反面、歴史については概説にとどまるため、総じて入門者向けの難易度。また日本の読者向けに、オリジナルの注釈と写真を追加している。
著者プロフィール
郭雅暉 (カクマサキ) (翻訳)
台湾・彰化生まれ。
国立台湾師範大学・関西学院大学卒業。
現在、日本在住・会社員
永井一広 (ナガイカズヒロ) (翻訳)
フォルモサ書院店主
大阪市生まれ。
会社員を経て、2018年に古書店「フォルモサ書院」を開業。台湾渡航歴多数。
著書に『台湾滞在紀行〜心の中の遠い故郷〜』(フォルモサ書院、2021)