ご自身も手作業で紙を作るお仕事をされている浪江由唯さんが、303日間という長い時間かけ、世界15 ヵ国の紙工房と印刷所を訪ね歩いた記録をまとめた一冊です。
私たちが日ごろから当たり前に触れている”紙”という存在について、それがかつては手仕事で作られていて、そのような手仕事の紙が世界から姿を消しつつあること、そしてそんな時代でもまだ手作りの紙文化が残っていることが本書から伝わってきます。紙の大切さについてもう一度考えたくなる内容です。
カバーは本書のために特注で制作された大洲和紙で、タイトルは一点一点、ご本人がハンコで仕上げているそうです!
A6/176ページ
(以下、公式インフォより)
一枚の紙を透かせば、人々の営みと手仕事の跡が浮かび上がる。土地の文化から生み出された手漉き紙の面白さと手仕事の尊さにほれ込み、勢いよく旅に出た1年間の記録。
「世界には、どんな紙があるんだろう?」。小さな好奇心をきっかけに、303日間かけて15 ヵ国の紙工房と印刷所を訪ね歩く。旅の中で出会ったのは、個性豊かな紙が作られる美しい光景と、淡々とあるいは楽しそうに、紙を作り紙に刷る人々の姿だった。世界の手漉き紙と文化の未来のために何ができるか、大好きな紙のそばで自分は将来何をしていくのか。世界の紙を巡りながら、知った紙のこと、気づいた文化のこと、自分が大事にしたいこと……。そんな思いを一冊の本として綴じました。
〈旅をした国〉
タイ、カナダ、アメリカ、メキシコ、リトアニア、ラトビア、エストニア、ドイツ・デンマーク、イギリス、インド、ネパール、ラオス、韓国
〈出会った紙〉
サーペーパー、アマテ、ヘンプペーパー、リサイクルフラワーペーパー、コットンペーパー、ロクタペーパー
2000冊が即完、2021年刊行の『世界の紙を巡る旅』が新たな仕様、手に取りやすいポケットサイズで普及版として生まれ変わりました。
ポケットはカバンに入れて、散歩や旅にも連れ出せる文庫版として再登場!カバーは著者本人が現在関わりの深い大洲和紙を特注で制作。工程の一部を著者自身が担当したほか、一冊一冊のタイトルも本人によるハンコで仕上げています。
《著者プロフィール》
浪江由唯 (なみえ・ゆい)
「kami/(かみひとえ)」は手仕事の紙を未来に残すことを目指し、2018年に立ち上げたブランド。屋号には、紙いちまいほどの僅かな違いにこだわって活動し、紙いちまいでできることの可能性を提案し続けたいという思いを込めている。
2019年3月〜2020年1月まで世界15か国の紙と印刷の工房を訪問。帰国後は紙の展示販売やワークショップ、講演を行う。2021年より大洲和紙の産地である愛媛県内子町に移住し、和紙と世界の手渡き紙を組み合わせた制作やものづくり体験を企画している。