イシデ電「私という猫 完全版」

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2,400円(税込2,640円)

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もしも私が猫だったらば
とっくに死んでいる

ほんの幾年か生きて死んだ

踏むごとに残す間もなく消えてった

私という猫の足跡

――――――――――

Xで13万いいねの反響を巻き起こした『ポッケの旅支度』(KADOKAWA)のイシデ電が、野良猫たちの苛烈かつ鮮烈な生を描いた代表作『私という猫』。
幻冬舎コミックスより単行本全3巻で刊行され、現在は入手困難な同作を1冊にまとめた完全版です。

自身も猫を愛するイシデ電さんだからこそ描ける、かわいいだけではないハードな猫たちの生き様に心を掴まれます。


【版元より】
2007年から2019年にかけて著者ブログで描かれた『私という猫』。
手塚治虫先生における『火の鳥』のような、著者渾身の畢生の一作です。

本作は、冒頭に引いたように「もしも私(著者)が猫だったなら」というモノローグから始まるものの、「人間の知識で窮地を脱する」的ファンタジー展開は一切ありません。
むしろ、著者の前世が野良猫であったかのような、リアルな野良猫社会が描かれます。

野良猫「私」の生活は、マンガならではのダイナミズムに満ち溢れています。
その理由は、野良猫のリアルがそうであるからなのか。
あるいは、著者がリアルではなく、リアリティを帯びた物語を描いているからなのか。
猫に詳しくないヒトの担当者にはわかりかねますが、このマンガには、人間の心を揺さぶる強い力があります。

そして、その力の立脚点は、冒頭のモノローグにあると考えます。

本作を読まれて、「自分が猫だったら」と考えたとき、主人公「私」の過酷な猫生と、自身の人生を重ね合わせる方もいるかもしれません。
実は「もしも私が猫だったなら」という設定は、内容のために考えられたものではなく(その理由は著者あとがきに書かれています)、実際に物語は人間の「私」と無関係に進んでいきます。
ですが、そんな本作は「もしも私が猫だったらば」と描き始めた時点で、こう終わらせると著者が決めていたかのようなラストを迎えます。
また完結に至る道中には「ただ生きること」の価値や美しさが織り込まれています。

そんなマンガが、人間と猫を重ね合わせた始まりと終わりになっていることで、より読者に訴えかける力を獲得している。そして社会情勢が年々厳しくなる中、結果的には今こそ読まれるべき作品になっている――と考えます。

とはいえ、野良猫「私」の猫生は、ただ辛いだけのものではありません。
かわいい内容を期待して読むと、喜怒哀楽を全身に浴びて火傷するような異形の猫マンガですが、喜も楽もあります。
「私」とその仲間たちの躍動感溢れるアクションや、コミカルな掛け合いも盛りだくさんです。
厳しくも楽しい、悲しくも美しい、唯一無二にして空前絶後の猫生讃歌。ぜひ、ご一読ください。

※本書の売上の3%は、保護猫活動や地域猫活動を行うNPO法人に寄付されます。