シカクでも個展を開催してくれたイラストレーター/漫画家の中村一般さんが台湾での個展『HEAVEN』に向けて発表した作品をまとめた一冊です。
「この白い子犬は、筆者がこどものころから頭に住みついている、妖精のような存在である。」と中村一般さんが語る子犬が、豊かな緑の中に佇む様子がフルカラーで描かれています。
タイトルに『HEAVEN』とある通り、心安らかな居場所を感じさせてくれる作品集です。
A5/28ページ フルカラー
(以下、公式インフォより)
2023年に奄美大島の旅で出会った風景や、近所を散歩していた時に見つけた植物たちからインスピレーションを得て制作した作品を収録したZINE。
2023年~2024年の間、コピックとコピックマルチライナーで描いた作品。
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「犬のたましいが眠る場所が、温かく安らかに、静かであってほしい」
この白い子犬は、筆者がこどものころから頭に住みついている、妖精のような存在である。
学生のころは死んだ愛犬のために描いていたのだが、だんだん記憶が薄れたり無意識に犬を描き続けていくにつれて、愛犬とこの世界に住むすべての犬たちの境界がごっちゃになってきていて、この白い犬は一体だれなのだろうか、大切なものだということはわかる、筆者も知らないどこかの犬の妖精みたいになってきている。
奄美で見た楽園のような妖怪のような植物はとても静かで温かく、こういう命たちがいる場所でいぬ達が眠っていてほしいなと思う。なるべく怖くない場所にいてほしい。
初の台湾個展『HEAVEN』(2024)の展示作品より抜粋して収録。
あとがきには、『HEAVEN』というタイトルに込めた思いが綴られる。