詩を愛する夫婦が 1963年に高知で開業した「タンポポ書店」について、奥様で今は亡き、片岡千歳さんが書き綴った一冊です。
2004 年に片岡千歳さんが自費出版したものを、夏葉社が復刊したのが本書。箱入りで、大事に詠みたくなるような素敵な造本です。
古本に関することだけでなく、店と関わりのあった人々のことも、あたたかみのある文章で書かれています。長い間入手困難だったという本がこうしてまた復刊されて読み継がれていくことに希望を感じます。
132mm ×185mm/320ページ
(以下、公式インフォより)
詩を愛する夫婦が 1963年、高知に小さな古書店を開きました。「タンポポ書店」です。店には詩集も並んでいましたが、それ以上に雑本が並び、入り口には50 円均一の棚もありました。生まれてきた3人の子どもを養うため、夫は長距離トラックに乗り、妻は店舗だけでなく、催事場やスーパーでも古本を売ります。夫が病死しした後も、妻の片岡千歳さんは 2004 年まで、ひとりで「タンポポ書店」を続 けました。
本書は 2004 年に片岡千歳さんが自費出版した随筆集の復刊です。古本好きには知られていた本ですが、発行部数が少なく、長いあいだ入手困難の一冊でした。片岡さんの文章は生活に根ざした文章であり、あたたかみがあって、読む者の心を解きほぐします。本書は現在ではなかなか見られない「貼り箱」をつかった、贅沢な仕様です。一度といわず、何度でも読み返していただけたらうれしいです。