街歩きエッセイスト・チヒロさんによる、2022年11月1日から2023年2月2日までの日記集です。
日記シリーズの最終巻になるという本書では、街を歩き、本を読んだり音楽を聴いたり、様々なものに触れながら、生活の違和感と向き合って思考と実験を続ける様子が書き綴られています。
文庫判/ 138ページ
(以下、公式インフォより)
右往左往するのが人生。
そう、認められたらいいのに。
2022年11月1日から2023年2月2日までの日記。生活の違和感と正面から向き合い、誰かの理想の暮らしをインストールするでもなく思考と実験を続ける日々を書き留める。
累計発行部数1,500冊を超えるかもめと街の日記シリーズ、『散歩するつもりじゃなかった』『決めない散歩』『この先になにかあると思ったのだ』に続く、最終巻!
[本文より]
11月1日
朝から満員電車に乗ってクリニックへ。治療のすべてに怯え、変化を怖がるわたしを見て今回も夫が付き添ってくれた。「今まで君任せにしてきたから」という言葉に少し救われた。
12月17日
夜ごはんは回転寿司へ。「イクラ!」と威勢のいい声で叫ぶ隣のちびっ子。お父さんが慌てて「ちょっと待って!」と制すると「じゃあお持ち帰りのイクラ!」とめげない子ども。ふたりのやりとりが微笑ましい。
12月25日
今年うまくいかなかったり断ったり、断れたことによって守られたことが確実にあったということ。そこにようやく目が向いてきた。
1月29日
昼ごはんはみやちへ。天ぷらが完売で、きつね中華そばという、中華そばの上にきつねがトッピングされたラーメン。違和感がないのが不思議なくらいおいしい。「寒いからコート羽織ってから外に出てね」と言ってくれるお母さんの優しさ。
1月31日
映画を見終わった後、海辺へ行く。海面が光に照らされて煌めく。その様子を通りがかったブレザーの制服を着た女の子が「海、きれいすぎなんだけど!」と言いながらチャリを漕ぐ。
著者:チヒロ(かもめと街)
表紙デザイン :JAROS
本文デザイン:安藤萌香