文は人なり(若林理央)「行ってらっしゃい」

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500円(税込550円)

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フリーライター/文筆家として活躍する若林理央さんによる中編小説です。

若林さんが見た夢に着想を得て書かれたというこの作品、夢を作る職業である「夢職人」の家庭に生まれた主人公・麻菜は父親にそれが楽しい仕事だと聞いて育ち、自らも夢職人になります。

しかし、実際の仕事は父が語っていたものとは違っており、主人公は自分の家族の複雑な歴史を知っていくことになります。

A5/44ページ

(以下、公式インフォより)
中編小説『行ってらっしゃい』

ー概要ー

 人は眠っているあいだに夢を見ることがある。夢の内容は選べないが、脳に記憶されたことや考えていることが浮かび上がることが多い。
 しかし多くの人は知らない。夢を作る職業「夢職人」の存在を。
 夢職人は人の記憶を探る汚らしい職業として厭われてきた歴史を持つ。彼らは全国各地の山奥にある夢工場で働いていて、住まいは工場の近くの社宅だ。夢職人になれば一生、山奥から外に出ることや外部の人たちとの接触は許されない。禁を破れば射殺される。
 夢職人の家族も運命共同体で夢職人の家庭で生まれた子どもはかならず夢職人になる。
 しかし新入りの夢職人は彼らだけではない。毎年、少数ではあるが外の世界から夢職人になろうと山奥に来る人がいる。どこかで夢職人という職業を知り、一生食うに困らないと知って山奥に来たのか、もしくはだれかに騙されたのかわからないが、外部から来た夢職人もまた一生外に戻れなくなる。もし彼らが家族を連れてきたなら、家族もまた同じ規則に縛られる。
 もうすぐ夢職人になって三年になる米澤麻菜も外部から来た夢職人だった。おさないころから楽しい職業だと父に聞かされて育った麻菜は、夫のシュウジと共に山に入った。
 夢職人の実態を知った二人は衝撃を受ける。麻菜は自分を騙した父を恨み葛藤しながらも友人ができたことでしだいに慣れていく。だがシュウジは自分を連れてきた麻菜が帰るたびに怒りをぶつけるようになった。麻菜は家に帰っても心が休まらない日々を送っていた。
 春、外部からの新入りを迎える日が訪れ、麻菜の前に思わぬ人物が現れた……。

A5サイズ、44ページ。