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ギュルソユ慈「トルクメニスタン・ファンブック」

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2,500円(税込2,750円)


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(公式から引用)

紹介
天然ガスによって潤い、伝統と近未来が同居する
謎に包まれた永世中立国の本邦初となる概説書

『ウクライナ・ファンブック』に続く『ニッチジャーニー』第2弾!!

アシガバット■大理石に覆われた白亜の近未来都市
地獄の門■砂漠で燃え盛る巨大クレーター
装身具■世界中にコレクター 
絨毯■部族のアイデンティティ
アハルテケ■アレクサンドロス大王や武帝を虜にした世界最古の馬
ルフナーマ■ニヤゾフ元大統領が書いた「聖典」
トルクメン料理■ラクダの乳の飲料、乾燥メロンなど
全国のみどころ完全ガイド■メルヴ・ニサ遺跡、自然遺産、カスピ海リゾートまで
ギネスブック■「世界最速の馬の10mの後ろ足立ち歩き」「世界で最も高密度に大理石で覆われた建物が存在」「世界最大の星型建設物」等、競合相手がいなさそうな分野で独走

・豊富なカラー写真
・トルクメン語会話帳
・レストランガイド
・アシガバット市街地図
・網羅的な参考文献

目次
目次

2 はじめに
3 凡例
4 目次
6 地図
8 基本情報・旅行情報

11 第1章 首都
12 アシガバット 未来都市と錯覚するほどの白亜の首都
18 歴史 
20 エリア紹介 街を白く彩るユニークな建物を巡る
30 博物館・美術館・劇場
32 モスク
33 二つの道・アシガバット動物園
34 遊園地・競馬場・サーカス
36 スーパーマーケット・バザール
38 レストラン

44 第2章 全土5州
44 アハル州 テケ族本拠地、地理・政治的にも中心位置
54 マリ州 古代都市メルヴ所在、最南部のオアシス地帯
62 ダショグズ州 最北部、交易中継地点、農業地帯
68 バルカン州 カスピ海に面するヨムット族の本拠地
74 レバップ州 第二の都市テュルクメナバットを擁する

76 第3章 民族
76 起源と成立 始祖は伝説的人物オグズ・ハンのテュルク系民族
78 主要部族 方言や生活様式、現在も残る部族意識
82 世界のトルクメン 国外に散らばる「同胞」
86 トルクメン語 世界で800万以上の話者が存在
88 国内の諸民族 「人種のるつぼ」そして「敵性民族」の集団移住

92 第4章 伝統・芸術
92 トルクメン絨毯 マルコポーロも称賛した民族のアイデンティティ
97 八芒星 オグズ・ハン、セルジュークのシンボル
98 民族衣装 遊牧生活に適し災いから身を護る
102 トルクメン民族衣装を作る
104 トルクメン・ジュエリー 財産として持ち運び、邪視から守る
110 ガラオイ 遊牧民時代に暮らしていた円形天幕の移動式住居
114 文学 吟遊詩人によって語られた口承文学から叙事詩へ
118 マグトゥムグリ・ピラギの詩
119 バグシと伝統音楽 民族の叙事詩をドゥタールで伝え続ける
122 アハルテケ 『史記』にも登場する世界最古の「黄金の馬」
126 アラバイ犬 人工交配されていない世界最古の天然犬種
127 ラクダ 魔除けの力を持ち、発酵乳飲料も愛される
128 フダイヨル 感謝のおすそ分け、振る舞い飯のお呼ばれ
129 「白羊のお祝い」 63歳の誕生日に長老として祝う
130 トルクメンの名前 構文や親族名称などが入る独特なネーミング

132 第5章 生活・文化・社会
132 料理 肉と粉ものをベースにロシアやトルコ料理と融合
139 トルクメン流「お・も・て・な・し」
140 恋愛・結婚事情 婚資・部族の出自・持ち家が重要
142 結婚式 婚礼衣装の着付け儀式、芝居めいたやり取り、ダンス
146 住宅事情 規制厳しいエリートハウスとソ連時代の集合住宅
148 スポーツ 相撲が人気、サイクリングに力を入れる
152 トルクメニスタンの一年 季節・記念日・祝日・式典
156 メディア テレビ局は全て国営、雑誌は官公庁が出版元
158 教育 コイネク・タヒヤの制服、おさげ髪、兵役と勤労奉仕
160 ポップス音楽 国や大統領を賛美し愛国心を掻き立てる
162 ドラマ・映画 ミュージカル仕立ての豪華ドラマ「新年映画」
163 ギネスブック 競合相手がいない分野を切り開いて独走状態

164 第6章 歴史
164 古代〜イスラーム化まで
166 オグズ登場〜ヒヴァ・ハン国成立まで
171 17世紀〜ロシア帝国まで
178 ロシア革命〜ソ連時代まで
185 独立から今日まで

191 第7章 政治・経済
191 天然ガス 埋蔵量世界4位、国家歳入の3分の2を占める
196 政治体制 首相を兼任する大統領、人民評議会、長老評議会
198 二人の大統領 テュルクメンバシュとアルカダーグ
200 ルフナーマ ニヤゾフ大統領の“聖典”
202 経済 天然ガス依存脱却を目指し、化学品、繊維業、農業振興
204 カスピ海 「第二のペルシャ湾」と評され、石油・天然ガス埋蔵
208 外交関係 積極的中立政策を維持し、バランス外交を展開

214 第8章 対日関係
216 日本人抑留者 旧クラスノヴォドスクで強制労働を強いられる
218 経済外交関係 ODA援助国3位、自家用車8割トヨタ
221 日本語教育 日本語学科有する大学、在留邦人とフリートーク
222 日本で育つトルクメニスタンのメロン

224 第9章 渡航情報
226 ヴィザや宿泊の手引き
228 おみやげ
251 購入場所 ショッピングセンター、デパート、バザール
232 ホテル

233 トルクメン語会話帳
236 参考文献
239 あとがき

前書きなど
Jeýhun bilen bahry-Hazar arasy, 
アムダリヤ川とカスピ海のはざま
Çöl üstünden öwser ýeli türkmeniň;
砂漠から吹きつけるのだ トルクメンの風は。
Gül-gunçasy - gara gözüm garasy,
薔薇のつぼみ、 我が黒き瞳
Gara dagdan iner sili türkmeniň.
黒い山から 溢れ降るのだ トルクメンの大雨は。

Hak sylamyş bardyr onuň saýasy,
神が讃え、その庇護のもとにある この地
Çyrpynşar çölünde neri, maýasy,
砂漠では 雄ラクダと雌ラクダが跳ねまわり 
Reňbe-reň gül açar ýaşyl ýaýlasy,
緑の平原には 色とりどりの花が咲き 
Gark bolmuş reýhana çöli türkmeniň.
ハーブの芳香に包まれるのだ トルクメンの砂漠は。

(マグトゥムグリ・ピラギ「トルクメンのものTürkmeniň」より抜粋)

この本を手に取り、今これを読んでいる皆さんは、トルクメニスタンについて何らかの関心やイメージをお持ちの、希少な方と言えるかもしれない。トルクメニスタンは世界的にも、「旅行者が最も訪れない国」というランキングが行われれば必ず10位内にエントリーするほど、実際に訪れ、ある程度の期間滞在した人が極端に少ない国だ。筆者がこの国に暮らすことになった時、「どこにあるの?」「はじめて国名を聞いた」と言われることも少なくなかった。実際、トルクメニスタンは「最後の秘境」「未知の国」「謎の国」という枕詞をつけられて語られることが多い。こと日本においては、トルクメニスタンの独立から30年、この国に関してほとんど何も伝えられてこなかったと言っても過言ではないだろう。トルクメニスタンを扱った書籍は皆無にちかく、ガイドブックでも中央アジアの端っこに数ページを割かれるのみ。テレビ番組で取り上げられたり、ネットで話題になったりすることがあっても、それらの多くは好奇に満ちた目線で語られる、非常に偏った内容ばかりであったことは否めない。
冒頭で紹介した詩は、トルクメニスタンの国民的詩人マグトゥムグリが、郷土について詠んだものである。トルクメニスタンの地がこのように美しいことも、トルクメン民族にこのような素晴らしい詩人を輩出する文化と歴史があることも、残念なことに、ほとんど知られていない。しかし本当はこういうことこそが、これまで報道されてきたどんな事柄よりもずっと、トルクメニスタンという国の特徴であるはずなのだ。本書では『トルクメニスタン・ファンブック』の名の通り、これまで語られてこなかった、トルクメニスタンの愛すべき、そして誇るべき魅力の数々を紹介しようと努めた。日本初のトルクメニスタン概説本として、各地の見どころ、歴史、伝統芸術、社会文化、ポップカルチャー、政治経済、日本との関係まで、そして筆者のリアルな体験談など、たっぷりと詰め込んでいる。人気の「地獄の門」だけではない絶景の数々、驚くほど長い歴史を誇る史跡、豪華絢爛な首都の街並み、美しい伝統工芸などは、フルカラーの写真もお楽しみいただきたい。読者の皆さんの持っていたトルクメニスタンのイメージを、鮮やかに塗りかえることがきたら幸いである。そして、その中から一人でもトルクメニスタン・ファン仲間が生まれたら、これ以上の喜びはない。

著者プロフィール
ギュルソユ慈 (ギュロスユ チカ) (著/文)
1981年東京都生まれ。東京外国語大学 地域文化研究科 博士前期課程終了。高校時代にトルコへ留学して以来テュルク世界に強い愛着を持ち、大学・大学院においてトルコの社会問題を研究。2015〜2018年にトルコ人の夫の駐在先に帯同し、トルクメニスタン・アシガバットにて暮らす。複数のウェブサイト・雑誌にトルクメニスタンやトルコに関する記事を執筆。現在はトルコ・イスタンブル在住。趣味は史跡巡りとブログ執筆。二児の母。

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