ゲームを買うと、冒頭にそのゲームの説明があったり、昔だったら説明書がついていたりして、そのゲームがどんなことを目的としたものなのか、とか、ボタンを押すとこんなことができる、とかそういうことがわかるようになっています。この本はそういう「最初の説明」のように、私たちが生きているこの日常の基本を見つめ直そうとするものです。
例えばまず、私たちは呼吸しています。呼吸しないと死んでしまうわけですが、この呼吸というのはなんなのか。呼吸できるから笛が吹けたり、飲み物を吸い込んだり、水をビューっと吐き出したりできる。当たり前なのですが、こうやって一回立ち止まって考えてみると、他の当たり前のことも全部不思議に思えてきます。そうして色々考え直してみると、ただの毎日がなんだか貴重なものにも思えてきます。そんな立ち止まりのひとときを与えてくれる一冊です。
225mm x 165mm/92ページ
(以下公式サイトより)
世界はあたりまえのようにあって、すでに誰もがあじわっているけれど、それをきちんとあじわおうとすれば、いつもと違った「何か」が必要です。本というものは、そうしたきっかけをあたえてくれるもの。この本は、どのページを開いても、特別なものは何もなく、呼吸や靴や掃除といった、ありふれた日常の話があるだけですが、世界とはそのようなものです。(略)
この本をきっかけに、気づく、探る、指し示すの単純な流れに沿って、みなさんも、毎日の営みのうちにある、それらのあじわいに出会ってもらえればと思います。
ホモ・サピエンスの道具研究会:
生活とともにある「研究」のあたらしいあり方を探るなかで生まれた、人類学者の山崎剛、木田歩、坂井信三を中心メンバーとするリサーチ・グループ。